
ウエディングプランナーという仕事は起業家になる前の練習として最適だと僕は思う。
5年間ウエディングプランナーとして仕事をしていく中で昔上司に言われて印象に残っているのが
「ウエディングプランナーの仕事が出来れば、他のどんな仕事をしても通用する」
そう言われたのだ。
最初は理解出来なかったが、毎年新しい業務を覚えていく中で
その意味が少しずつ分かるようになってきた。
なぜ、その仕事をすれば他のどんな仕事をしても通用するのかという事をまとめていきたいと思う。
■老若男女いろんな世代の人達を接客
結婚式は若い男女だけを接客する訳では無い。
結婚する年齢は20代から60代まで幅広く、新郎新婦が若くても親御様とお話しする機会もたくさんある。
子供がいる新郎新婦だと子供と一緒に遊ぶ時だったあるのだ。
当日に至っては、何十名~百名以上の参列の方々がいらっしゃり
その中には、おじいちゃんおばあちゃん、外国人の方、妊娠している方などいろんな人がいる。
この仕事を長く続ければ続けるほど、様々な人とコミュニケーションをとる経験ができる。
接客に対して苦手意識を持っていてもだめだし、
各世代の方と話を合わせられるようになっていないといけないのだ。
必然的に自分自身の話のバリエーションも増えていくし
増やしていかないとコミュニケーションが取れない。
ウエディングの知識だけでなく、ニュースの情報や雑学など幅広い知識の勉強も必要で
その環境に身をおくことでいろんな情報を得る癖がつくようになる。
■営業力が必須
結婚式場の数は何百軒とある。
ゼクシィを見てもらえればわかると思うが、関西ゼクシィはもはや図鑑のような太さだ。
他の競合他社に負けないように、新規接客という分部にどの会場も力を入れている。
飛び込み営業やテレアポのようなこちらからアクションを起こすような営業ではなく
問い合わせやネットから予約をして来訪してもらえる分、
営業経験者からすると楽なイメージがあると思うが実際はそうではない。
僕は両方の営業を経験しているが、ウエディングの営業は非常に難しいと感じている。
その理由はまず金額が高い。
非常に高単価で安くても何十万円。平均300万円以上もの金額が動く。
もう一つが「一生に一度」という絶対に失敗できないという要素もすごく大きい。
新郎新婦にはそれぞれ結婚式にかける「想い」がある。
その分、契約となると慎重になるのだ。
それを初見に見学に来られた新郎新婦を成約せずに帰してしまうと
来訪する確率は格段に低くなる。
その日に成約しなければ2度と帰って来ないと思っていた方が良い。
成約率50%以上でないと営業として生き残るのは難しい。
ウエディング業界で新規接客の成約率が高いプランナーほど評価が高くなるのは必然だ。
こうした理由から、営業のロジックやスキルを学ぶ環境が整っている。
■集客に力をいれる
ウエディングはおしゃれじゃないといけない。
ダサイ結婚式場はそもそも来館してもらえないのだ。
数ある結婚式場の中から雑誌やインターネットを使って自分の式場を選んでもらう為に
SNSを利用するのは当たり前、自社サイトや紙面のキラーショットによって訪問数は激変する事もある。
いかに人の印象に残るような写真をや魅せ方ができるかを学ばないといけない。
月に100組来る会場と200組来る会場とでは、たとえ成約率が低かったとしても
200組来る会場の方が価値がある。
それだけ集客に力を入れている。
いろんな雑誌の広告担当と話す中で、広告の知識を得ると共に
時代の流れにも常にアンテナを張る事でセンスを養っていく事ができる。
■どんな仕事でも必要な要素が詰まっている
コミュニケーションの能力、営業、広告による集客、どれも起業家になるには必要なスキルだ。
チームで仕事をしたとしても、必ずこのどれかの能力において突出しておかなくてはならないだろう。
コミュニケーションはリーダーシップをとる為に必要であり
営業は会社の売上を継続してあげていく為にこのスキルも必須だ。
集客がないとそもそもお客様が来ないという問題が発生する。
自分一人で最初は全て行わないといけない時もあるだろう。
その時の為にも一通りの仕事を経験していれば、イメージ通りに運ぶ事ができる。
その他にもウエディングプランナーをする事で、時間管理や動画や写真の魅せ方、
お花やテーブル装飾のトータルコーディネートなど学べる事は多い。
もし、起業を目標としている人がいて、ウエディングにも興味があるのであれば
一度ウエディングプランナーで学ぶのも一つの方法かもしれない。