
今回は自己認識の心理学について話していこうと思う。
人は2つの視点から自分自身を認識している。
1つは自分で自分を見る事で、「自分自身はこういう人間だ」という認識。
もう1つは周りの人から評価される事で「自分自身はこういう人間だったんだ」という認識。
この両者はほとんど合致する事はない。
必ずと言っていいほど、自分が思っているよりも周りの評価が高かったり低かったりするのだ。
それがプラス面で働けばいいが、マイナス面に働いた時は自分を認識する上で精神的ストレスになる事もある。
■比較される事で位置づけを余儀なくされる
小学校に入学してから社会人になって定年退職するまで
人はずっと順位をつけ続けられる。
学校では成績だ。学期末になるとテストがあり点数によって順位が決まる。
通知簿も5段階評価や10段階評価などで比べられる。
社会人になってからは役職や営業成績など、
生きている限り他の人と比べられながら生活をしていかなくてはならない。
テストで良い点をとれば「自分は他の人に比べて優れているんだ」と認識したり
テストで悪い点をとれば「自分は他の人に比べて劣っているんだ」と認識したり
それ以外に優れている部分があったとしても、それを数値づける基準がなければ
今の社会基準のみで判断されてしまう事が現実だ。
単純に勉強が得意な人は評価されるが苦手な人は評価されない仕組みになっている。
■無意識に自分に合った場所を探している
こうした周りと比べる事で自己分析した自分と照らし合わせると
そのレベルにあったコミュニティに入ろうとする傾向がある。
その方が順応しやすく、その環境の中で活躍する事で
「自分は必要とされている人間なんだ」
「自分はこの部分が人よりも優れているんだ」
といった欲求を満たす事ができる。
中には、今の自分をしっかりと把握した上で厳しい環境に身を置く人もいるが
基本的には身の丈に合った居場所を無意識の中で判断して行動してしまっているのだ。
人間だれもが持っている人よりも優れている事を周りの人に理解してほしい欲求を満たす事で
安心感を得る事ができる。
この安心を得る仕組みを知っていれば、冷静に今の自分の現状把握に役立つようになる。
自分自身と照らし合わせてみて、今までの人生を振り返ってみても面白いかもしれない。