
大きな地震が毎年各地で発生するようになり、その被害に合った人達は
恐怖の記憶として一生覚えているものだ。
特に子供の心は繊細でトラウマになってしまうケースも出てきている。
実際に僕自身も小学2年生の時に阪神淡路大震災を経験して
その時の記憶は鮮明に残っているし、電気やガス、水が出なくて
小学校の体育館に行ったり、水をもらいに遠くまで足を運んだりして
なんでも手に入る不自由ない生活から一変した環境がショックだった事を覚えている。
心に深く刻まれた記憶が辛いものになればなるほど、
震災という自然災害の恐ろしさを身に染みて感じている人は少ないくないだろう。
そんな中、熊本市の子ども発達支援センターがつくった絵本が話題になっている。
大人であれば頭の中で整理が出来る内容でも、子供は自分だけでは整理出来ない問題がたくさんある。
大人が子供に言い聞かせる一つのツールとして、心のケアを手助けする絵本は
今の日本にとって非常に重要になってくる。
■絵本の内容
絵本の内容を簡単にまとめると
慣れない避難生活によって変化についていけない男の子の様子が描かれていて
地震が起きて家族と一緒に体育館で2週間暮らすことになり
今までの環境から大きく変化した事にストレスを感じて、最初は体育館にすら入る事が出来なかった。
ライフラインが回復してようやく家に帰れる事になったのだが
家に着いても地震のことを思い出して家の中にこわくて入れない。
そんな状況を家族の絆を通して少しずつ改善していき、だんだんと日常を取り戻していくというお話。
絵本が好きな子供に少しでも前向きになってもらう為に描かれた物語はぬくもりに溢れている。
地震はこわいものという記憶は無くならないがそこから大切な何かを学ぶことも出来る。
「絵本を通して子供の心を少しでも守りたい」そんなメッセージが込められているような気がした。
■子供が安心できる環境づくり
子供にとって親や今住んでいるおうちが幸せな環境であることをイメージさせなければならない。
震災が起きた時に、タンスや物が落ちてきたのであれば
寝室にはそうしたタンスや物を無くして安全を確保してあげたり
子供にとって大切なものを枕元においてあげることで安心感を与えたり
すぐに逃げられるように防災グッズを準備しているところを見せるなど
家にいる事が一番安心できるんだという事を教えてあげる事が大切になってくる。
子供の時に読み聞かせてくれた絵本は大人になってからも覚えている人は多い。
桃太郎や一寸法師など絵本が手元になくても物語を思い浮かべることはたくさんの人が出来る。
それは絵と物語が結びついて記憶に定着しやすくなっているからだ。
それくらい絵と物語が子供の心に与える影響は大きい。
だからこそ、絵本で子供の心をケアすることは有効的だと言えるだろう。
子供の心を守るのは大人の役目。
今子育てをしている人もこれから子供がほしいと思っている人も参考にしていただければと思う。