
僕は沖縄に2年間仕事の関係で移住していたことがある。
その時の経験は今でもかけがえのない財産になっていて、
その時に出会った中嶋さん(タイのカゴを中心に販売している起業家)
には今でもお世話になっている。お互いに刺激し合える存在だ。
その時のエピソードで大切な事をいくつか紹介していきたいと思う。
まず、なぜ沖縄に移住したかというと、
当時勤めていた会社でリゾートホテルを新規開設するから
立ち上げメンバーとして参加しないかと上司から相談があった。
少し悩んだが、沖縄に行くチャンスはなかなか無いと思い、
他のメンバーにも声をかけていたので先を越されたくなくて、
すぐに沖縄に行くことを決意した。
ずっと関西で暮らしてきた僕にとって冒険そのものでもあり、
いろんな意味でチャンスだと思った。
ホテルの新規立ち上げや沖縄という南国での生活、
人と違う人生を歩んでいく事に不安と期待が入り交じりながら
返事をした1カ月後に出発した。
■沖縄時間
ホテルの立上は予想を超えてハードで、
近くの寮で暮らしながら朝も昼も晩も働き、
家に帰ってご飯を食べて寝るだけの生活が続いた。
週に1回の休みしかなかったが同僚とレンタカーを借りていろんな場所へ行き、
沖縄の海、景色、食事、気候、全てが新鮮で充実した日々を送っていた。
仕事はハードだったが、現地の人の時間の流れはゆったりとしていて、
沖縄の人の「なんくるないさ(なんとかなるさ)」の考え方、
時間と使い方はまさに「沖縄時間」だった。
■心の余裕をもたせる
ホテルも無事オープンしてフロント、ゲストリレーション、コンシェルジュなど
いろんな配置を経験させてもらうことができた。
そんないそがしい日々を過ごしている中でドアマンとしてエントランスで
お客様を誘導していた際、丁度きれいな夕日が水平線に落ちていく時間、
一緒にドアマンをしていた沖縄在住の現地のスタッフに
「夕日がきれいですね」
と何気なく僕が口にした言葉に対して
「熊内さん、今いそがしい時間の中でも夕日がきれいって思えるのは
本当に素敵な事だよ。心に余裕が無い人は、そんな事口にしないし、
思いもしない。その余裕の隙間に幸福が入り込んでくるから、
いつでも、どんな時でも、幸福が入り込む隙間を作っておくといいよ」
と言われた。
今までこんな事言われた事もなかったし考えた事もなかった。
沖縄の人たちは同じような感覚の人が多く、
昔から幸せに暮らす為の知恵がたくさんある。
なんで沖縄の人たちは故郷に帰りたがるんだろう?と思っていたけど、
実際に住んでみる身に染みてわかる。
いまだに、どこに旅行にいこうか考えた時はまっさきに沖縄が思い浮かぶし、
心をリセットする為に毎年旅行に行っている。
ただ単に、景色がキレイ、海がキレイ、だけではない
人間そのものの心の豊かさというものがそこにはあると思う。
■心の隙間が人生の中で重要
人生の中でもしきっかけがあるのであれば、
是非沖縄で暮らしてみる事をおすすめする。
僕は自分の計画の為に関西に戻ってきた、
時期が来ればまた沖縄で暮らすことになるだろう。
いつも気を張り詰めながら過ごしている人は多いと思う。
「余裕」なんて作れないよと思う人もいるかもしれないが、
それでもどこかで心に隙間を作ってあげる習慣をつくるだけで、
今よりも確実に幸せな時間が多くなる。
要は心の持ちようなのだが、それを一日のうちで少しでも意識して過ごしていけば、
今よりも素敵な自分になれるような気がする。
もし、あなたも実践できるようであれば「心の隙間」をつくってみてください。