
自動車メーカーのマツダのデザインが自動車業界からだけではなく、
他業種のからも評判が上がっている。
「マツダのデザインはかっこいい」
そう言われるに至ったのは「リーマンショック」という出来事が原因だ。
想像できないないくらいのピンチをきっかけにマツダの変革は始まったのだ。
ピンチはチャンスという言葉は誰もが知っていて、逆境こそ成長に繋がる発見をしやすいと考えられているが
それを現実問題全員が出来るのかというとそうではない。
逆境に立たされた時は本能的に守りに入ってしまうのが人間の習性であり
それが大企業という集団になればなるほど強く働いてしまうもの。
その逆境を跳ね除けたマツダの成長のきっかけになった事とはなんだったのか。
マツダが歩んだ道を知る事で自分たちが学ぶべき事とはなんなのかについて考えていきたいと思う。
■守りを捨てて攻めの姿勢を崩さない
2009年に起こったリーマンショックは多くの企業に多大なダメージを与えた。
マツダも当然その被害を被ることとなり、筆頭株主であるフォードもマツダの株を売却するなど
資金繰りといった面でもかなりの苦境に立たされた。
そんな中でも全ての車のデザインを一新するという選択をした。
多くの企業が様子を見ながら守りに入る姿勢で身動きが取れない中
マツダだけが攻めの姿勢を崩さなかったのだ。
デザインのトップも変わり、人と車との関係から原点に振り返り
地球上でもっとも速いチーターが走っている美しいフォルムをベースに
車の骨格からボディを形成していった。
人は車に愛着を持って接しているように、生命力溢れるデザインへと一新したのだ。
それによって2010年以降に生み出された車は世界各地のモーターショーで絶賛された。
数々の賞を受賞していく中で、自然と人工物の融合という挑戦は今もなお続いている。
■自然は究極の形を表している
このマツダの挑戦から学べる事はたくさんあり
自然をモチーフにして新しいものを創る事は、あらゆる場面において新しい発想を得るヒントになる。
そもそも自然はいまだに人間には踏み込めない神聖な領域であり
人知を超えたことがまだまだたくさんある。
自然が創り出す色や形は無駄を省き、生きる事のみに特化した究極の形を表しているといっても過言ではない。
速さを追求した時にチーターをモチーフにする発想は斬新であり
突き詰めれば突き詰める程レベルが高い作品になる事は間違いない。
このように、人間の発想を超えたヒントは自然の中に数多く隠れていて
それを一つでも見つけて参考にしていく事は、
物が溢れて飽和状態の今の時代に革新を起こすきっかけになるのではないだろうか。
これはモノづくりに特化した話ではなく、あらゆる業界やサービスにも応用できる。
今よりも性能を良くしたい、新しい発想を得ようと考えた時に
自然という原点に振り返る事はさらなる成長に繋がる事になる可能性を秘めている。