
つい先日「若者の車離れ」や「若者の旅行離れ」といった「○○離れ」に対し
その根源にあるのは「お金の若者離れ」ではないだろうか?という
ツイートが同世代の若者から強く支持される中、それに対して
高須クリニックの高須院長が投稿した「甘ったれるな」というツイートが大炎上となった。
若者と今の時代を作った功労者を代表した高須院長の考え方の違いは
どちらが正しいのだろうか?
時代によっては高須院長の意見は称賛されるような内容だったのだろうか?
僕なりの考察をしてみたいと思う。
■高須院長の想い
高須院長は戦後日本は本当に貧しくてご飯もろくに食べる事の出来ない状況から
這い上がってきて豊かな暮らしを実現した。
自分たちが今の若者と同じ20代の頃はモーレツに働いてお金を稼いだ。
そうして得た資源は若い世代へのプレゼントであり、
若い世代に与える事はあっても奪ったことは無い。
向上心を持て!ハングリーであれ!
というまさに根性と呼べる精神論を語った。
今の時代の人達が嫌いそうなワードが並んでいるストレートな物言いが
大炎上のきっかけになったことは間違いない。
20代から老後のことを考えて貯金ばかりせず
今の自分のスキルを上げる為になけなしのお金を使いなさい。
いずれはインフレに戻って貯金は紙くずになる。
自分への投資は裏切らないし、結果として現れる。
こうした未来への希望とも思える発言もしていた。
⇒チャレンジ精神を持って成功へと近づく為に必要な行動について
■若者の想い
それに対して若者の意見としては
今と昔とでは環境が違う。肉体労働で同じ時間働いたとしても
同じ金額稼ぐ事は難しいのが現実だ。
甘ったれているなんて思っていないし、今の若者もモーレツに働いている。
ただ、それに対してお金が反映されない。
残業も副業もダメで、何時間残って業績を上げようと努力してもその分は出ない。
コスパのいい社員止まりで終わってしまう。
今のデフレがインフレになるとは思えない。必ずインフレになるという根拠が無い。
このように今の時代の現状から冷静に物事を判断して意見を述べている。
精神論はそこには全く無く、温度差が感じられる印象を受けた。
⇒これからの未来に必要な3つの視点について書いた記事はコチラ
■どちらが正しいのだろうか
どっちの意見も一利あり、おそらく時代背景関係なく
若い人でも高須院長よりの考え方の人はいるだろうし
年をとった人でも今の若者と同じような考えの人もいたと思う。
たしかなのはどの時代の若者も年をとった人も
同じような道を辿っているという事。
どんな国や時代であっても年をとった人は「今どきの若者は・・・」と言うし
若者は年をとった人の言葉に耳を貸さない。
それでも100年も経てばその時よりも過ごしやすい便利な世の中が実現している。
天災や予期せぬデフレによって一時的に苦しい状況になったとしても
全体的に見れば良い方向に進んでいく傾向にある。
こうした時代に合わせた両極端な考え方を持つ存在が入り交じる事で
お互いに刺激し合って新しいものが生まれてくるのではないだろうか。
心の奥底では今の時代を作る為に苦労した功労者達に感謝している部分はあると思うし
いくつか問題を残してしまった部分はあれども
どんな時代でも完璧な世の中なんて存在しないのだから
若い世代がその問題を解決していく流れになる。
そこに、高須院長のような物言いが出てくると反発したくなるし
売り言葉に買い言葉ですれ違いが生じているに過ぎない。
本質的に見た時に、高須院長は若い人たちにもっと頑張ってほしいという
エールを送りたかっただけなのではないかと思う。
ストレートで角が立つような言い方さえしなければ、もっと上手く伝える事が出来れば
共感から若者の心を打ち、1人でも2人でも多くが若者の行動を変えたかもしれない。
どちらの世代も今を生きる大切な時間を過ごしているのであれば
言い方ひとつ、捉え方ひとつで良い方向にも悪い方向にも転んでいく。
手と手を取り合って助け合っていかなければいけないのはみんな分かっているから
正しい正しくないを決めるよりは、いろんな考え方を受け入れるだけの
器を自分自身に持つことが大切なのではないだろうか。
⇒これからの時代に必要な3つの行動について書いた記事はコチラ