
就職活動は筆記試験や面接など日常生活で必要なスキルとは別のスキルを求められる。
筆記試験では学校のテストで出てくるような問題では無く
時事問題や当たり前に知っていなければならない事だけど
いざ問いかけられると意外と答えられない事など間違えてはいけない問題が多い。
面接では人前で話すという日本人が最も苦手とするスピーチに近い形で
面接官に対してアピールをしなければならない。
集団面接になると多数の人達に聞かれる恥ずかしさとプレッシャーで
考えていた事が上手く言えなかったり、予想外の質問をされると頭が真っ白になるなど
その時の瞬発力が求められ、人間力を試される場となる。
■内定が決まる人と決まらない人
就職活動をしていると就職がすぐに決まる人と
まったく決まらない人の2パターンに分かれる事が多く
すぐに決まれば余計な事は考えずに残りの学生生活を楽しめるが
周りの人がどんどん就職が決まっている中
自分一人だけが就職が決まらない状況になるとかなり辛い。
僕も就職がなかなか決まらなかった中の一人で
まわりがどんどん大手の会社に内定をもらっている報告を聴いて焦っていたのを覚えている。
そして意外にも内定を早い段階からもらっている人ほど
就職活動の準備や行動を真剣に行っておらず
就職活動の準備や行動を真剣に行っている人ほど、なかなか内定を貰えていなかった。
この時は疑問に感じながらもなんとか内定を貰う事ができ社会人として働く中で忘れていたが
会社で役職が付く年齢になり、いざ自分自身が面接する立場になって
就職活動で採用したいと思える人とそうでない人の違いが少しずつ分かるようになった。
就職活動はある程度準備は必要だと思うが
それ以上に必要な事があり、単純にそれが出来ている人と出来ていない人との差が
内定をすぐ貰える人と貰えない人との違いだという事に気付いたのだ。
■大人は簡単に見抜いてくる
面接官に認めてもらえるように質問に対して
普段の自分よりも良い自分を魅せようとすればするほど
話している本人は普段の自分とのギャップを無意識のうちに感じてしまっている。
そうすると、言霊というように魂が入っていない言葉では
相手の芯の部分で受け止めてもらう事が出来ず
お互いに理解し合えない状態のまま面接が終わってしまう。
そんな嘘をついている訳では無いが、自分を良く魅せようと話している人は
相手に何を話しても伝わらず、聴いている側も簡単にそれに気付くのだ。
自分の経験から出た実際の体験談や日常疑問に感じている事など
心から思っている事は声に芯が通っていて相手に伝わる量が格段にアップする。
学生時代は未熟だから、相手を騙すとまでは言わないが
みせかけの自分をアピール出来ると思い込んでいる人は面接に受かる確率は低い。
■就職活動をしてきた人を企業はほしい訳じゃない
就職活動を一生懸命していても面接に受かる確率はさほど上がらない。
場慣れして本来の力を発揮できるようになるのかもしれないが
その時のコンディションで流暢に話せたり、相手の面接官が話しやすかったりなど
外的要因に頼らざるを終えなくなる。
ここは本当の意味での地力の差が生まれる場面となり
今まで培ってきた自分の努力量が圧倒的に表に出てしまう。
今まで何か一つでもいいから人よりも倍以上の努力をしたことがあるか?
多くの人達とコミュニケーションを取る中で考えて行動出来ていたか?
勉強という分野においてどのような価値観を持っていたのか?
これらが日常をどれだけ精一杯生きてきたかを表す指標となる。
人よりも面白いエピソードを話せるようにならなくてはならない訳では無く
人と同じでも心から自分が感じている本当の自分について話せるようにならなくてはならない。
それは日常生活を適当に過ごしてきた人とそうでない人とでは
言葉の重みも違えば説得力も違ってくる。
就職活動をして初めて自分と向き合っても
生まれてから大きくなるまでずっと自分と向き合ってきた人には到底勝てない。
就職活動をしていて内定を貰える人と貰えない人の差はそこにあるのだ。