
「結婚」は女性の憧れだ。
子供の時から大人になるまでに、結婚式に参列したり
雑誌やインターネットでウエディングドレスの写真を見て
「自分もいつかはこんなドレスを着てみたい」
「幸せな花嫁になりたい」
そんな夢を抱いている人はたくさんいるだろう。
当然、ブライダルという業界に憧れて
それを仕事にしたいと思う人も多い。
ブライダル業界は人気でドレスコーディネーターやサービス、映像、演出、花など
ウエディングに携わる仕事はたくさんあるが
中でもウエディングプランナーは一番人気があり、採用枠も限られているので
それを仕事に出来る人は少ない。
ウエディングプランナーになる人は当然ウエディングが好きで憧れを持っている人ばかりだ。
だからかもしれないが、理想と現実のギャップについていけず
辞めてしまう人もたくさんいる。
採用される人は少ないのにも関わらず、ブライダル業界は慢性的なプランナー不足だ。
実際に自分自身もウエディングプランナーとして働いていた時があるので
現状を目の当たりにしているのだが、その状況を客観的に見ながら気付いた事がある。
■憧れを抱きすぎると続かない
ブライダル業界は一見華やかだ。
「キラキラしていて、人生で最良の幸せな日のお手伝いが出来て、なんて素敵な仕事なんだろう」
誰もがそう思う。
ブライダルの専門学校などもたくさんあり、その授業でも
「ブライダル業界は華やかな世界だが、肉体的にも精神的にも辛い仕事だよ」と教えられているが
言葉で聞くのと身をもって経験するのとでは全然違う。
やっぱり華やかな部分をフォーカスしてしまうが
理想と現実のギャップが大きすぎて辞めてしまう人がたくさんいる。
好きな事を仕事にしてしまうと理想が崩れてしまった時のダメージが深くなってしまうのだ。
大金が動き、一生に一度という重みに耐えきれず、
たった一度の大きなクレームで心が病んでしまう人もいる。
当然そうならないように先輩社員はフォローするのだが
その先輩社員もいそがしすぎて手が回りきらならない。
逆に、転職で入社してきたり他部署から移動してプランナーになった人は
最初から理想が低いからか、長く続けられる人が多い。
実際僕も転職でブライダル業界に入ってウエディングプランナーになったのだが、
女性ほどの理想は持っていなかったからか、それほど難なく続ける事ができた。
目標があり4年で辞めてしまったが、辛くて辞めた訳ではなかった。
でも、肉体的にも精神的にもしんどい仕事である事は確かだ。
今までいろんな仕事を経験してきたが、あれほど時間に追われる仕事はない。
限られた時間の中で完璧に準備しないといけないプレッシャーは
心が弱い人だと耐えられなくなってしまうかもしれない。
■別の視点を持っていると有利
他の仕事を経験していると、いろんな見方ができる。
今ある目の前の仕事を一生懸命やる事で、だんだんその仕事が好きになっていき
最初から理想が低い分、少しでも仕事が出来るようになったり
お客様から嬉しい言葉をもらったりすると、それだけでモチベーションが上がる。
これはブライダル業界で働いている人だけでなく
日常的な部分でも、意外な時に意外な部分で褒められたり、うまくいったりすると
いつもより嬉しかったりする事はないだろうか。
それを積み重ねていくと、だんだん要領が分かってきて好きになっていく。
最初は少し俯瞰的に見れるくらいの心の余裕や隙間があった方が
なんでもうまくいくのだと思う。
芸能人やある業界で有名になったり、トップに上り詰めていく人には
意外とそんな感覚でその仕事を始めた人がたくさんいる。
好きな事を仕事にすると情熱を注ぐことが出来るが
熱を入れすぎるとダメだった時に立ち直る事が困難になる。
なんでもちょっと肩の力を抜いて、少し客観的に自分を見る余裕を持てば
今よりも少し楽に人生を歩んでいく事ができるかもしれない。