
スティーブジョブズが言った名言の中に
「消費者は自分が欲しいものを知らない」といった言葉がある。
まさにその言葉通り革新的なアイデアで時代の流れを大きく変えるくらいの仕事をした。
需要が無いところに需要を作る。
これほどクリエイティブな発想を必要とされる仕事があるだろうか。
一般的なマーケティング手法を用いてアンケートや市場調査をするのでは
その需要を作るというアイデアを生み出す事は難しいだろう。
■芸術の必要性を日本人はまだ知らない
時代の流れを大きく変えたスティーブジョブズのような
革新的なアイデアを生み出す事は僕自身到底できないと思っているが
需要が無いところに需要を作りたいと思い事業を始めて現在も活動している。
芸術という分野は日本では非日常の世界。
絵を飾る文化や習慣が無い環境の中で、日常生活に芸術に触れる環境を作るのは本当に難しいと思う。
「芸術を 日常に」
そのコンセプトを現実にする為に
日本のスタイルに合わせた芸術とはなんだろう?
どうしたら気軽に芸術に触れる環境が作れるんだろう?
画家という職業が当たり前になるには何が必要なんだろう?
いろんな疑問を解決するのには一つ一つの問題を順番に解決していく必要があった。
その最初の取り組みとして始めたのが「ロココロ」という絵画インテリアを販売する事だった。
日本では絵を飾る習慣が無いのは住宅事情も関係していて
アパートやマンションなど賃貸で壁に穴を開ける事が難しい住宅がたくさんあり
それによって絵を壁にかける事ができないといった事情がある。
戦後生活するだけで必死だった日本では、芸術品=贅沢品といったイメージが先行し
一部のお金持ちしか芸術を楽しむ余裕が無かった。
その環境が影響して画家という職業だけで生活できる人も少なく
道端で画家が路上パフォーマンスをしている光景もほとんど見られない。
いろんな背景が重なって芸術という文化が浸透しなかった結果が今の環境を作っているのだと思う。
■絵を飾る習慣を日本に浸透させたい
その環境を変える為には、生活の中で少しでも芸術に携わるきっかけが必要だと考えた。
芸術=敷居が高い
絵=高価で飾りにくい
そんな感覚を打開する為に、安価で気軽に自宅で飾れる絵画インテリアが必要だと考えた。
まずは絵を飾る楽しさを知ってもらう。
さらに、その絵をどんな画家が描いたのかを知ってもらう事も必要だ。
販売する時にどの画家がどの絵を描いているのかを明確にする。
そうする事で画家のファンを増やす事にも繋がる。
芸術を浸透させる為にはインテリアだけでは無くて
それを描いている作者にも興味を持ってもらえてこそ意味があると思う。
ただおしゃれなインテリアを飾りたいだけだったら巷に溢れている芸術品を買えばいい。
それ以上に画家と一般の人とを結びつける役割も担う事が大切だ。
■芸術の良さにまだ気づいていない人はたくさんいる
芸術というニッチな分野は現状日本では需要がない。
その需要がないところに需要を作ろうとしているのは意味がある事がだけれども
本当に難しい事だとも思っている。
もしかしたら、そもそも需要を作る事が出来ない分野なのかもしれない。
それでも、芸術に触れる事で少しでも癒されたり、心が豊かになったり
芸術が人に与える影響は大きなものがある。
それは歴史が証明してくれている。
今までもこれからも必ず必要な分野であれば、必ずその必要性に誰もが気付く事で
日常に芸術を取り入れる事が当たり前になり
画家という職業が当たり前の世の中になる日を目標に
これからも活動していきたいと思う。