
自動車を世に広めたヘンリー・フォード。
歴史の授業でも出てくるくらい世界の生活スタイルに革命を起こした人物だ。
自動車で移動するのは、今の時代では当たり前の風景で
人々の生活には必要不可欠なものなっている。
だが、当然自動車が無い時代からすると今のように道路が整備されていて
多種多様な自動車が行き交っている景色を誰が思い浮かべただろうか?
その時代からそのビジョンを思い描いていたのがヘンリー・フォードという人物だ。
そんな彼がどのようにしてビジョンを実現していったのか紹介していきたいと思う。
■ヘンリー・フォードの生い立ち
1863年にアメリカのミシガン州で誕生。
農場を経営していた両親のもとで不自由なく暮らしていた。
彼は友人などの時計を分解しては組み立て直すなど、この頃から機械に興味を持っていた。
農場の仕事をあまり好きではなかった彼は、農場を継いでほしい父親の気持ち反して
一度はデトロイトの工場で機械工として働き始めるが、ほどなく故郷に戻り農場の仕事をする事になる。
農場の仕事と並行して蒸気機関の修理工として生計を立て、25歳の頃には結婚し
順風満帆な人生を送っていた。
25歳になるとエジソン照明会社の技術者として内燃機関の実験に携わるようになり
3年後にはガソリンで動く4輪自動車を作り上げる事に成功。
改良に改良を重ね、援助などの助けもあり2台目の自動車を完成させると同時にデトロイト自動車会社を設立。
値段が高く、性能が低い自動車はなかなか売れず2年で倒産。
しかし再度新型の自動車を作り、レースで好成績を残した彼に出資してくれたウィリアム・マーフィーのおかげで
ヘンリー・フォードカンパニーを設立する事ができた。
だが、援助をしてくれたウィリアム・マーフィーがヘンリーの会社にコンサルタントを入れた事が
気にくわなかったヘンリーはその会社を辞めてしまう。
そこからもう一度、さらに性能の良いレースカーを作り大会で優勝。
別の出資者が出てきて、3社目のFord&Malcomso,Ltdを設立。
度重なる苦難もありながら、研究を重ねてT型フォードを完成。
このT型フォードによって一般の人でも運転でき、手の届く価格で販売。
大規模な広告による宣伝やフランチャイズ方式での販売方法によって売上をどんどん伸ばしていき
1500万台もの自動車を販売した。
これによって、今まで馬車で移動していた人々の生活に自動車という文化を定着させることができたのだ。
■ヘンリーフォードから学べる事
彼の人生は苦難の連続だった。
一見順風満帆に見えるが、何度も失敗を繰り返し、度重なる苦難を乗り越えたからこその成功を手に入れている。
会社を設立する度に自動車は売れず資金繰りがうまくいかなかったり
自分自身が思い描く理想の会社にできず苦労した。
それでも彼が持つ情熱が出資者達の心を動かした。
理想があり、ビジョンがあり、それを実現する為に常に改良し続けた結果が
T型フォードという一般向けの自動車を創りだす事に繋がっている。
フォードは優れた技術者でもあり、優れた経営者でもあった。
自分の周りに集まった人達に、仕事の質に見合った対価を与え、
自動車で人を幸せにするだけでなく、働く人達にも幸せを与えた。
目の前に現れる壁を何度も何度も越えて、先が見えなくても進み続ける彼の姿は
成功するまで走り続ける大切さを学ぶ事ができる。
何でも途中で諦めるのではなく、成功するまで続ける。
これは自ら事業を営んでいる人にとってかなりの勇気になるのではないかと思う。
自ら事業をするとうまくいかない時がほとんどの世界で、
うまくいくビジョンを見失わずに進む指標を今も彼は教えてくれているのかもしれない。