
「美術館に行ってみたいと思っているけど、絵心なんて無いし絵の楽しみ方がわからない」
そう思っている人はたくさんいると思う。
自分で絵を描いていたり、大好きな画家さんがいたり、知っている人の作品が展示されたなど
何か条件が無いと美術館にふらりと足を運ぶ人はほとんどいないのではないかと思う。
でも、そういう人が多いのにも関わらず「芸術を楽しみたい」って心の奥で思っている人は意外と多い。
そんな人の為に、絵の事がまったく分からなくても絵を楽しむ方法についてまとめてみた。
■美術館の雰囲気を楽しむ
美術館って敷居が高いように感じるのが一般的な感覚。
当然、そう思わせているのには美術館にはルールが存在するからだ。
例えば、大きな声で喋ってはいけなかったり、飲食ができなかったり、カメラでの撮影や模写は禁止されていたり、
「自由」という部分でみるとなかなか厳しい。
だが、見方によってはその雰囲気は「非日常的な空間」と捉える事もできる。
普段と違う場所、空気に触れる事でその静かな雰囲気の中にたくさんの刺激がある。
絵は人間の脳に与える効果があり、癒されたりストレス軽減にも繋がるという。
また、絵を見た瞬間に人は「この絵が好きか嫌いか」を瞬時に判断しているらしく
その絵の雰囲気によっても脳の刺激される場所が違うのだとか。
美術館をひとしきり見終わった後に軽い脱力感におそわれるのは、
もしかしたら普段使わない脳への刺激が関係しているのかもしれない。
こうした部分も含めて美術館に行くと、楽しみ方が変わってくる。
■全部の絵を見なくていい
数多くの作品をひとつひとつ理解しながら進んでいくのも一つの楽しみ方だが
気軽に楽しむ方法として「全部の絵を見ない」という方法がある。
先程も述べたように、人は瞬時に「この絵が好きか嫌いか」を判断している。
流れるように見ていく中で、自分が気になる絵の場所でだけ立ち止まるようにする。
絵には題名や作品の説明文が書いてあるものもあるので、
それをじっくり見てその時代の背景やなんでその絵に惹かれたんだろうと考えると
より自分の感性が磨かれるようになる。
人は流し見していても「見ていないようで見ている」ので
あえてこのような見方をした方が、絵をどう楽しんでいいか分からない人にとっては
気軽に楽しく鑑賞できるのではないかと思う。
■絵の知識なんていらない
絵画は直観で見てほしいという画家さんもたくさんいる。
人によって感性は違うのだから、良い悪いという判断も人によって異なるのは当たり前。
絵の楽しみ方として、前もってその時代の背景や絵の描き方、画家の経歴などを勉強してからという考えもあるが
一般的に「そんな準備までして美術館に行くのは面倒臭い」と思うはずだ。
それだったら「自分の感性に従って自由に見る」というのが一番気楽に足を運びやすい。
また、絵を見る事で普段得ないようなインスピレーションを受けるので
発想の幅が広がったり、普段当たり前の出来事の見方が変わったり
日常生活に変化をもたらす事も多々ある。
「人生をより良く生きる為のヒントが美術館にはある」
そう思うとなおさら「美術館に足を運ぶ意味」というのを感じてもらえるのではないだろうか。
この記事をきっかけに美術館という場所が敷居が高くなくて、デートで映画館に行くような感覚と同じように
美術館に足を運んで芸術に興味を持ってくれる人が一人でも増えてくれたら嬉しく思います。