
100円ショップ「ダイソー」
日本人なら知らない人なんていないだろう。
その創業者である矢野博丈は波乱万丈な人生を歩んでいる。
また、起業家には珍しくネガティブだ。それも群を抜いてネガティブ。
売上高3500億円を売り上げている大社長とは思えない発言ばかり。
成功しているから逆に名言として扱われているが
これが成功していなければ、ただのネガティブなおじさんだ。
そんな矢野博丈という人物について今回はまとめてみた。
■人が経験しないくらい苦労の連続
苦労や不幸といったものは自ら呼び込んでいる部分があるのかもしれないが
それでも普通はあまり経験しないような人生を歩んでいる。
転職9回、夜逃げ1回、火事1回(警察に自作自演と疑われた)、
火事の時は何もかも失い途方に暮れてしまって、1カ月も寝込んでしまったという。
もともとは奥さんの実家のハマチ養殖業を営んでいたのだが
経営に失敗して借金700万円を背負ってしまう。
そんな大金返済できないと思い、広島から東京へ夜逃げ。
そこから家族を養う為にいろんな仕事をする事転職9回。
自身の事を「どうしようもないただのおっさん」と言うくらい仕事ができる訳では無かった。
「パソコンはできないから分析もできない」と言ったり、
「自分はなにも出来ないから社員が全部やってくれている」と言ったり、
とにかく自分に自信がない事が発言から伺える。
仕事が出来なかったから転職を繰り返したのかは分からないが
一般的に仕事が出来るタイプではなかったのかもしれない。
■家族の為に働く
こんな経験をするとさすがに「自分の人生は終わった」と思ったそうだ。
それでも家族の為に毎日働いた。奥さんや子供を生活させるのに必死だった。
そんな中、偶然通りかかった公民館で移動販売という仕事を知る事をきっかけに
移動販売業者に弟子入り。自分で商売を始めた。
そこから様々な種類の雑貨や荒物を販売するのだが、
値段や値札をつけるのが面倒で全て100円で販売したところお客様の反応が変わったのだという。
そこから売上が少しずつ伸びていきチェーン展開を開始。
全国へ広がっていった。
そこでも矢野博丈社長のネガティブは発揮され、事業が拡大して店舗が増えているのが怖くて
ずと社員には「店舗を出すな」と言っていたそうだ。
■ネガティブが功を奏した
至る場面でネガティブ発言が発揮され
「私の欠点は数えきれない」
「お客様はよう分からん」
「ダイソーなんてすぐつぶれると思っていた」
など、ほかにもいろんなネガティブ名言がある。
だが、そんな極度なネガティブ思考だからこそ
リスクに対する危機感は人一倍あったのかしれない。
人生は過程も大事だが、やはり結果がすべての時もある。
どれだけネガティブな発言をしても、起業して、物を販売して、規模を拡大していく行動は
ポジティブ以外のなにものでもない。
普通は起業するだけでも、出来ない人がほとんどなのだ。
行動と結果が伴えばネガティブな発言は「謙虚な姿勢」と捉える事もできる。
発言を人に良く感じさせるのは、「結果」を出した人だけだ。
多くの苦労を重ねて今の成功を手に入れた矢野博丈社長から学ぶ事はたくさんある。
彼のような謙虚な姿勢を自らも実践していけたらと思う。