
先日あるギャラリーで数時間ではあるが接客をさせてもらえる機会があった。
ギャラリーにはいろんな種類があり、
高級な絵画ばかりを扱っているところ
個展などで場所貸しをしているところ
額などを販売しながら定期的に個展をしているところ
などギャラリーのオーナーの経営方針によって様々だ。
その中でも珍しいのは安価な絵画を扱っているギャラリーだ。
数千円~数万円が主に置いていて、
数点だけ数十万円クラスの絵画を展示している。
こうした一般の人達向けのギャラリーというのは全国的に見ても珍しい。
今回はそうしたギャラリーで一般の人たちの絵に対する反応など
勉強させてもらう為に数時間ではあるが接客をさせてもらうことになった。
■安価な商品を扱うギャラリーは珍しい
そのギャラリーは駅から近く大きな商業施設の中に店を構えている為
若いお客様からご年配のお客様まで年齢層は幅広い。
土日になると人が行き交う数も多く、
絵に興味がある人ない人関係なく一般の方々の反応を見ながら
接客できるのも魅力の一つだった。
そもそも、なぜこうしたお店自体が少ないのかというと
商売として成り立ちにくいからである。
安価な商品といっても数千円~数万円する絵画が
毎日何個も売れるかというとそうではない。
一日に一つも売れない日も当然ある。
たまに数十万の作品が売れる事はあるが、年に数回くらいだろう。
そうなってくると、商業施設で維持費を確保する事はできても
それで食べていける程の売上を上げる事が難しいのだ。
そうした理由からこうしたお店で接客できること事態珍しく
お客様のリアルな反応を見る事ができるのは、なかなか経験できないと思う。
■絵に興味がある人はたくさんいる
そのギャラリーは人が行き交う通路にも絵画を展示している為
必ず絵を見ながら目的の場所に向かう。
その短い間の中でも「この絵かわいい」だったり
「このキャラクター知ってる」「この雰囲気好き」といった
生の声を聞く事ができる。
わざわざトビラを開けて入る訳ではないので
普段絵に興味が無い人でも、ふらっと見ていかれるお客様が本当に多く
ただただ黙っていろんな絵を見て通り過ぎる人もいれば
たまたま通りすがりに気に入った絵があり
今まで絵を買った事が無いのに買って帰られる人などもいるのだ。
立ち止まって一つの作品をずっと見ているお客様には声をかけ
会話したりすると、どこが気に入ったのかを話してくれたり
お店の場所も関係しているのかもしれないが
こんなにも絵に興味を持っている人がいるのかと思った。
■ほんとは芸術に触れたい
こうした環境は日本にほとんど無いのは勿体ないと感じた。
人は芸術に触れる環境があれば「芸術に触れたい」と無意識に感じているのだと思う。
でないと、あんなに多くの人が絵に反応しないのではないだろうか。
場所ときっかけがあれば、芸術に触れて興味を持つ人は増える。
これからの時代、高級なギャラリーばかりでなく一般大衆向けのギャラリーが
日本の芸術の関心の拡大に必要になってくると思われる。
その為にはそうしたギャラリーの存在できるシステムを構築しなければいけない。
今回の接客をきっかけに全国へ一般の方向けのギャラリーを広げていく事も
今後の問題解決の一つとして取り組んでいきたいと思う。