
芸術的な物は特別な才能がないと生み出せないと思っていた。
今世の中に出ている有名な作品や話題になった作品は
人と違った感性を持った選ばれた人が携わるからこそ
これだけ世の人達に受け入れられ、印象に残り続けているのだと・・・。
たしかに、本当に才能があったり、努力を積み重ねて
考えて試行錯誤してようやく辿り着くアイデアはたくさんあるだろう。
でも、そのどれもが自分には考えつかないようなもの・・・という訳ではなかったと思う。
世の中に受け入れられているという事は
「共感」される作品という事だ。
それは誰もが持っている感覚で、共通して認識できるものなんだと思う。
そうした感覚は日常の中に溢れているのではないかと思うようになった。
■日常にほんの少しのプラスアルファを考える
多くの人が見て「キレイ」だったり「素敵」と思える作品は
いつも普通に見えているものにフォーカスを当てて
より良く見えるように工夫しているものがたくさんある。
インスタ映えという言葉がまだまだ使われているが
翼を壁に描いてその前に人が立った写真が流行ったり
黒板にチョークでリアルな絵を描いた写真が流行ったり
それらは全部日常の中で誰もが思いつく事だし出来る事ばかりだ。
ほんの少し違った視点から「魅せ方」を変えるだけで
魅力が2倍にも3倍にもなる。
それに「気付けるか気付けないかだけの差」なのだ。
芸術というのは、ほんの少しだけ物の見方を変えて
普段、人が気付いていない視点から
120%良さを引き出す作業をするだけで良いのかもしれない。
■イノベーションに特別な技術や才能はいらない
スティーブジョブズが発明した「ipod」や「iphone」が世に出た時の事を覚えているだろうか?
あの時は誰もが「今までにない革新的な物が生み出された」と感じたと思う。
でも、実際その当時のテクノロジーで「ipod」や「iphone」が
他の企業には真似できないような技術を駆使していたかというとそうではない。
どの企業でも作る事が出来る技術ばかりだったという。
その既存の技術を組み合わせて、革新的な商品だと世の中の人に「魅せた」だけだ。
世の中のニーズというのは、消費者自身も気づいていない部分にある。
特別な技術や才能はいらない。
今自分の周りに存在する物を「どうやったらもっと魅力的に見えるようにできるだろう?」と
疑問を持って考え続けた先に誰も気づいていない本当に必要なニーズが見えてくるのかもしれない。
■考える事は誰でもできる
人は「考える」事ができる唯一の動物だ。
考えて行動して失敗して、さらに考えて改善して試行錯誤していく。
その果てしない作業を繰り返し出来る人は多くはいない。
でも、それが出来た時に初めて世の中の人に受け入れられる作品を生み出す事ができる。
革新的なアイデアや技術は必要ない。
今ある芸術的な作品のほとんどは、日常の中から生み出されている。
人と違う事を考える前に、まずは当たり前の事に目を向ける事から始めた方が
誰にも思いつかないような作品を生み出すきっかけになる可能性が高いのかもしれない。